面倒だと思ってはならない その2

この項では一つのツアーの例を述べてみる。

外国人の要望に近い物件を12件集めた。
準備に自信があった。

ツアー当日朝から順番に12件見せた。

そのうち気に入ったものが4件あって、
さらに第1と第2希望まで絞れた。

この2つで今夜一晩検討し、
明日決定、という理想的な流れかと思われたのだが、、、

外国人は言った。
『他に無いか?もっと見たい!』と。

これから我々がとる2つの反応を述べる

反応その1
『第1と第2希望のどちらかで決めないのか?』と訊く。

『いいけど他の物とも比べたい、今日の10件とは別のものも見たい』と外国人。

『他の物を見る間に第1と第2希望が無くなってしまうかもしれない』と説得する。

『それは困るが、しかし他も見たい』

ここで嫌なムードになるが、
結局他にも見せる段取りをするであろう。

反応その2
『他に見たい? OK明日見せよう。第1と第2物件に比較できるものをチョイスしておくよ』
と即座に答える。

そのうえでこう付け加える『第1希望が無くならないように、ホールドしておきましょう。第2希望より第1希望の方に決断したいのは間違いがないか?』

『Yes』と外国人。

『もし明日見る他の物件より第1希望のほうが勝っていれば契約しましょう』と話す。

『Yes』と外国人。

どうでしょうか?
反応その2は、
“お客さんの欲している通りに頑張りますよ”という姿勢と、
“プロとして物件を確保する”姿勢が、
外国人にバランスよく通じています。

反応その1は、
面倒くさいと思っている(思われている)姿勢が、
最初に表れることによって、
外国人とこちら側との間に溝ができる。

面倒だという感情を押し殺すのではなく、
感情が相手に伝わらないアプローチの仕方をマスターすると、
外国人は我々を味方だと感じてくれるし、
我々の意見にも耳を傾けてくれる。


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