例えば家賃15万円で物件を探している外国人をサポートする場合、
どのような交渉力が考えられるか?
下記のように情報の準備と成約までの筋道を掘り下げておく事が必要だ。
1. その15万円は1銭たりとも動かせないものかどうか?
2. 市場にある物件10万円以上20万円以内という広範囲から情報を得られるかどうか?
3. 20万円のものを15万円にするお願いが可能な物件があるかどうか?
4. 10万円のものに設備を付加して15万円に加工するやり取りが出来るか?
5. 外国人に資料を提出する際に期待値以上の資料として受け入れられるように、事前の『期待管理Expectation Management』会話が成り立っていたかどうか?
6. 物件の貸主・業者が、この客で決めると言う前向きで本気の姿勢が現れるようなやりとりを事前にしているかどうか?
7. 借主側の全ての要望と事情を余すことなく説明し、貸主・業者に受け入れられるかどうか?
上記準備業務や筋道を考えることとは別で、
実際の会話にも気をつけるポイントがある。
その1
『業者側と接する時は、業者の視点で会話を始める』
『外国人と接する時は、外国人の視点で会話を始める』
誰でもそうだが自分のことを理解していないであろう人の言うことに従おうとは思わない。
業者側は色々な事情の下に、家賃・礼金・手数料の額を設定している。
外国人側は家族構成・今までの環境・雇い主が許可する金額などの事情がある。
例えば室内犬を本国から連れてくるという外国人が顧客の時、
『それでは物件がありませんよ。犬は連れてこないか、あるいは室外で飼ったらどうどうですか』
などと言ってしまったら、
この先どんな交渉も上手く行かないどころか、会話そのものが成り立たなくなる。
『家族ですよね、今まで同様室内で飼いたいですよね。分かります。難しいかもしれませんが探してみます』というスタンスから会話を始めるべきだ。
その上で物件が無くても、『それではどんなオプションが考えられるのだろうか?』
と、信頼関係が厚くなる方向へ会話は進む。
その土台の上で起こる交渉事は有利になるわけだ。