実際の住宅案内事例 業者さんとの関係

一人の顧客のために、 20件ほどの業者に電話をし、 情報を教えてもらい、 そのうち8~10件の業者さんは実際に物件を見せる手間を割いてくれる。 そして1件の業者さんだけが契約に進み利益を得る。 彼らは、 我々に情報を提供して、 物件を案内しても、 10%ぐらいの確率でしか成約しないわけだ。 同じエリアで何件も何十件も経験を積むうちに、 業者さんによっては、 あるいはこちらの態度によっては、 情報を提供してくれなくなる。 当然の話だ。 我々が“客の立場”を乱用すると、 いつかうまくいかなくなる。 その土地で最高の物件を集められなくなる。 業者さんと接するときは、 むしろ彼らをお客さんだと思い、 礼儀正し過ぎるぐらいでちょうどいい。 情報をもらったまま(仮に良い物件でなくても)終わってしまうのは論外。 (口で言うのは簡単だがありがちである) 実際の案内では、 初日の最後に、 ほとんどの業者さんの手間が無利益で終わるのを知るわけだから、 外国人と第1希望について話し合って別れた後で、 それ以外の物件の業者さんには、 お礼を兼ねて、 決まらなかった旨を伝えるのを忘れないようにしたい。

実際の住宅案内事例 当日後半

3件目を超える頃からテンションに注意する。 例えば、 外国人の質問がネガティブに集中する場合、 ● フローリングの色が暗い ● 道路に近く少しうるさい ● 食器洗い乾燥機が無い 例えば、 ポジティブに集中する場合、 ● 玄関のアプローチが良いね ● 畳の部屋が感じが良い ● 床暖房が備え付きで良い 上記どちらの雰囲気もこのまま放っておいてはだめだ。 その外国人が住む物件を選ぶのが今日の目的だ。 3件目4件目になったら、 部分部分をどうこう言うのではなく、 全体的に考えて、 (直感的に考えて) ○ AよりBの方が良い ○ BよりCの方がいいが、Dは除外 というコメントを引き出すようにしなければならない。 例えば、 部分的なことに集中している時に、 この物件は床暖房があって良いですね。 しかし先程のBは、 リビングが広いという点で優れていましたね。 という感じで、 比較させる。 部分的にはどんな物件も善し悪しがあるが、 そこに集中せず、 他と比較して全体を捉えるようにする。 そうすると、 5件目6件目と進むうちに、 外国人が真剣になって来るのが分かる。 真剣というのは、つまり、 ある点で妥協しなければならない現実に、 向き合っているということだ。 1日目の案内は、 全体的に(理論ではなく感覚で)見て、 第1、第2希望を外国人の口から発せられることで、 目的を果たせたといえる。

実際の住宅案内事例 当日始まり

まずブリーフィング。 物件資料と地図を見せて、 ● 今日1日の流れ ● 何時にどこで終わるか ● 物件の場所とサイズはこれぐらい 等、という事を語る。 ここで特別な否定があることもあるが、 ない場合先へ進む。 車に乗って一件目へ向かう。 人によって、 あるいはこちらの性格によって、 和やかなドライブになることもあるし、 沈黙のドライブの時もある。 どちらになっても悪いということはない。 ここで重要なのは、 安全に目的地に着くこと。 そして1件目の物件に到着してから商品知識を徐々に表現する。 徐々にというのが大事だ。 こちらのペースで話さず、 外国人が見ているものとその時の表情を見ながら、 タイミングよく話す。 和室でコンセントを見ている時に、 This is Tatami Room.等と言ってはならない。 コンセントについて話すべきだ。 キッチンを見ている時には、 魚焼きグリルについて話すべき時と、 冷蔵庫の置き場所について話すときと、 要領を得る必要がある。 当たり前のことだが、 現場では出来ないということが、往々にしてある。 大抵不動産業者も同行しているので、 自分は黙っていても、 業者が知っていることを片っ端から話し始めることもある。 上手に仕分けして、 外国人が集中できるようにし、 知りたいことを順序よく知ることができるように図ることが重要だ。 そして、 一件目が終わった時、 予定の時間より長いか短いか、 2件目からのアポを調整する必要があるか。 そのあたりを調整して2件目に向かう。 外国人といると、初心者のうちは、 その物件の説明に真剣になりすぎて、 今日の他の予定を調整できずパーにしてしまうこともあるので気をつける。

実際の住宅案内事例 準備編

あまり経験のないエリア 地方都市。 書店で地図を買う。 その都市と外国人の勤務先住所、 住宅地などの位置関係を確認する。 次にインターネットの、 Athome Homes Isize 等の不動産ポータルから検索を始める。 適当な物件が5物件ほど見つかる。 それらの不動産業者に連絡をする。 そのうち2物件だけが空いている、案内できることが分かる。 次に、 Minimini Able Apamanshop などの検索も利用する。 その中で更に2物件を得る。 ここまでが2時間。案内予定日の2週間前。 そして1週間後さらに似たような努力をする。 不動産業者さんの癖がわかってくる。 更に2物件得る。 この時点で顧客に資料を送る。 顧客サイドがどうコメントするかで次の準備が多少変わってくるが、 今回は特に要望もなく、 この方向で進む。 案内日の2日前にさらに業者に連絡する。 主にアポを取るためだが、 予定していた物件が無くなったという話や、 別の物件が可能になる話や、 ネット上で別の物件を見つけたりして、 案内できるのは8物件になり、 全部のアポを完了させる。 そして考える。 どの物件で決まりそうか? これらは見せる価値があると思うか? 外国人は全く対象外だと思うか? 対象外ならどのタイミングでツアーを中断するか? どう翌日に巻き返すか? 最後に、 8物件の資料と比較チャートと地図を作成する。 8物件から漏れた少し劣る(と思う)物件もリストしておく。 いつでも案内できるように準備する。 時間が許すときは、 各業者に会う。 エリアの下見をする。 ここまでが準備業務。

エリアオリエンテーション Ⅱ

エリアにもいろいろある。 引っ越す住居が決まってからのエリアオリエンテーションは以前書いたが、 ここでは赴任地が決まってからするオリエンテーションだ。 つまり具体的になる前の前情報の提供と言うことである。 例えば下記のようなことを調べたり考えたり、疑問に思うことで、 外国人に説明しながら、質問もでき、 外国人に考えさせる材料の提供ができる。 そのようなオリエンテーションだ。 対象都市の: 人口 会社所在地 一般的な住宅 学校・インターナショナルスクール・プリスクール それぞれの場所 公共交通機関の利便性 料金 一般的な買い物のスタイル(スーパーへ買いに行く 小さな商店で買う) 病院 スポーツクラブ バーやレストラン 銀行 空港 国際空港 新幹線の駅と大都市への時間 他の大きな都市との違いがあるか ホテル 料金 数 他にどんな外国人がいるか 国籍は 職種は バジェット別で、どんな位置関係のライフスタイルになるか 子供がいるか? いればこっちのエリア、いなければこっちのエリア。 奥さんはいるか? バジェットは? 家賃が違うとエリアが変わるのか? 国内の大都市への出張が多いか? それによって希望エリアに影響が出るか? 大きめのマンションはどんな位置に多いか? 幹線道路にあるか、住宅街にあるか? 外国人が住むところが一つに固まっているか? 最終的に4通りぐらいの具体案を言えるか? 1.会社まで30分 学校までスクールバスで50分 街まで30分 住宅は100㎡ 2.会社まで1時間半 学校までバス10分 街まで50分 住宅は150㎡ 3.街中で50㎡の住宅 単身 4.街中で100㎡の住宅 奥さんと住める しかしバジェットオーバー 以上のような内容を事前に説明できると、外国人個人の妥協と決断に影響できる

面倒だと思ってはならない その3

さし障りないこと、責任の範囲外であることが明確な“面倒”について。 やらなくてもいいリクエストに対して、 どう反応するか? 要領よく気分を害さないように断る、 それも一つの方法である。 その際は話し方を工夫しなければならないし、 それが一つのノウハウにもつながる。 しかしそれとは別に引き受けるという方法もある。 例えば、 スカパーのオプションチャンネルを申し込んでほしいと言われる。 これを引き受けることで、 オプションチャンネルを申し込む際の手続きを知ることにつながる。 なんでもそうだが、 一旦知ってしまうと次回からは非常に簡単になることが多い。 そのような経験を多く積むことで、 知識を充電でき、 それらのうちの一つは将来サービスメニューの一つに加えられることがあるものだ。 私の場合、 “運転同行”というサービスが一つ加わった。 5年前ぐらいからその“責任の範囲外”的要望として、 引き受けていたことだが、 何度もやるうちに、 最近は有料のサービスとして受け入れられている。 外国人が、 アパートから勤務先まで運転して出勤するという、 初日の“不安”をカバーする有料のサービスになり、 かつ、 その人の運転技術の危険度を指摘し、 アドバイスする付加価値も提供している。

面倒だと思ってはならない その2

この項では一つのツアーの例を述べてみる。 外国人の要望に近い物件を12件集めた。 準備に自信があった。 ツアー当日朝から順番に12件見せた。 そのうち気に入ったものが4件あって、 さらに第1と第2希望まで絞れた。 この2つで今夜一晩検討し、 明日決定、という理想的な流れかと思われたのだが、、、 外国人は言った。 『他に無いか?もっと見たい!』と。 これから我々がとる2つの反応を述べる 反応その1 『第1と第2希望のどちらかで決めないのか?』と訊く。 『いいけど他の物とも比べたい、今日の10件とは別のものも見たい』と外国人。 『他の物を見る間に第1と第2希望が無くなってしまうかもしれない』と説得する。 『それは困るが、しかし他も見たい』 ここで嫌なムードになるが、 結局他にも見せる段取りをするであろう。 反応その2 『他に見たい? OK明日見せよう。第1と第2物件に比較できるものをチョイスしておくよ』 と即座に答える。 そのうえでこう付け加える『第1希望が無くならないように、ホールドしておきましょう。第2希望より第1希望の方に決断したいのは間違いがないか?』 『Yes』と外国人。 『もし明日見る他の物件より第1希望のほうが勝っていれば契約しましょう』と話す。 『Yes』と外国人。 どうでしょうか? 反応その2は、 “お客さんの欲している通りに頑張りますよ”という姿勢と、 “プロとして物件を確保する”姿勢が、 外国人にバランスよく通じています。 反応その1は、 面倒くさいと思っている(思われている)姿勢が、 最初に表れることによって、 外国人とこちら側との間に溝ができる。 面倒だという感情を押し殺すのではなく、 感情が相手に伝わらないアプローチの仕方をマスターすると、 外国人は我々を味方だと感じてくれるし、 我々の意見にも耳を傾けてくれる。

面倒だと思ってはならない その1

外国人顧客と同行していると、 イレギュラーな質問やリクエストが発生する。 その際まず、 『それを聞くべき内容かどうか?』 判断しなければならず、 聞くべきならば、 『そのために何をしなければならないか?』 『何分・何時間余分に時間を取られるか?』 頭で見積もる。 いろいろな考え方があり、 いろいろな対応方法があると思う。 この項では、 常日頃情報のありかを管理しておくということに絞ってまとめたい。 ボクの場合は、 電話番号などは顧客企業・関係施設・業者などの電話番号を100は暗記していました。 だから例えばヒルトンホテルに何かを聞くべきだと思ったら、 すぐかける。面倒に感じる前に。 『ヒルトンホテルの電話番号は・・・』 と調べたり、懸念する手間は少なくとも省かれる。 人によっては携帯のメモリからすぐ取り出せる管理の仕方もいいかもしれない。 それとは別の次元で、 ボクの場合『今日の紙』というモノを前日に作る。 今日の顧客がどんなイレギュラーなことを要求してくる可能性があるか徹底的に書き出したものだ。 こんなことを聞かれたらこの電話番号を知っておく必要があるとか。 プラスして、今日の目の前の客だけではなく、今日電話がかかってくるかもしれない別の客からの問い合わせが予想されるので、それらにクイックレスポンスできるよう紙に書いておく。このような説明をすれば何らかの対応に追われなくても済まされるとか。 何が起きるか筋書きを描くのだ。 そうすることで面倒に感じない、 嫌だという感情が出ない、 人の3倍仕事ができる、 とプロの世界は続く。。。

家具選び

家具屋へ外国人と同行し、 家具を選ばせる。 家具は安いものも高いものも同時に見えてしまうので、 注意深くこのツアーを行った方がよい。 顧客企業は、 我々に1日いくらという考えで(時間で)サービスフィーを支払っている。 1日の行いが実り多いものでなければならないのは当然だ。 しかし外国人に言われるがままに、 家具屋へ行ってしまうとどうなるか? 家具屋を一通りツアーして、 会計時にわかる問題は下記のとおりである。 バジェットより倍額の見積もりになった。 電化品で節約しようとしてもうまくいかなかった。 何とか金額を合わせたけれども、選んだ内2~3点の家具の在庫がないことがわかった。 その家具が無いのなら、カーテンの色をもう一度選びなおす必要がある。 もう一度やり直そうか。。。 1日かけて振り出しに戻るような同行業務では、 コンサルティングと呼べない。 我々は経験上このように簡単にはいかないことを把握したうえで、 外国人の、家具の何にこだわりたいのか?色か?サイズか? バジェットはどの程度か? そのバジェットでどの程度の選択肢があり得るのか? 滞在期間は何年か? などをよくヒアリングして、 日本の家具の選択肢と価格を上手に説明して、 見せずにコチラ側にてコーディネートを任せるよう納得さたほうが実りが多い。 その際は、 『家具屋に行くのが面倒なのか?』 かのように、外国人に勘違いされないことが一番のポイントである。 例えば、 “どの程度の価格でどの程度の家具が買えるか?” “こんなスタイルはいいが、こんなスタイルは全く嫌だ、といった好みを話したい” などのために、 1時間のツアーをするのは実りがあると思う。 目的が具体的になっているからだ。 “ただ漠然と家具を選びに行こうか?” という考えを、 具体的な方向へ導く会話をすることは、 面倒を避けようとしているのではなく、 コンサルティングなのだ。

物件情報を知る

初めて探すエリアで物件情報を得ようとするとき、 業者とのやり取りに苦労することがある。 例えば新婚さん向けの2LDKが主であるエリアで、 外国人向けの広めの物を探そうとするとき、 客『100㎡以上の物件はありますか?』 業者『家賃はいくらで?』 客『いくらでもいいです、30万とか』 業者『場所はどの辺で?』 客『駅に近いほうがいいですね』 業者『駅の近くではありませんね』 客『どこならありますか?』 業者『そーですね、どこまでならいいのですか?』 客『とりあえず場所は無視してどんなのがどこにありますか?』 業者『これなんかどうですか? 50㎡の2LDK』 客『・・・』 笑いごとではありません。 よくあるケースといってもいいでしょう。 業者は、 100㎡と聞いた時点で、我社の最大物件は何だろうか? と思い、質問は止めたほうが良いでしょう。 我々客の立場で探す場合は、 業者は普段の客とは違うタイプの客に対する対応ができないものだ、 とあきらめて、 そのうえでどんな質問をすれば早く事実を知ることができるか考えるのがよい。 例えばこのエリアなら100㎡がすんなり無いだろうと仮定して、 最初のやり取り、 客『100㎡以上の物件はありますか?』 業者『家賃はいくらで?』 の後で、 『100㎡がそんなに選ぶほどあるのですか?』 と聞く。 それに対する返答で状況が少しわかる。 無いならこのお店で紹介できる最大の物件を得る。 その物件がエリア的に全く外れるようならエリア内での最大を得る。 結果として(例えば)最大80㎡の貸家がエリア外に一つ、 エリア内には60㎡のマンションが1つ。 それ以外の圧倒的多数は50㎡以下の2LDK以下である。 ここまでやって一つの業者さんとお付き合いする場合の物件情報が得られる。 同様にあと5社そして10社とコンタクトすることで情報が精密になり、 外国人に対してこのエリアの市場を説明できる。 的確な物件情報や説明を一度で済ますことができる業者さんに巡り合う可能性を考えるより、 前もってある程度の予備知識や仮定を立てて業者と接するのがよい。


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